2008年11月30日日曜日

八戸信金事件貸金四億四千万時効?2

今件の八戸信用金庫の時効事件については、長期の証書貸付で発生。頭の巡りの良い読者なら、前に掲載した内容証明の文書から、不払いを起こしたのは長寿温泉・プレイピア白浜の経営者田中長次郎氏とその妻ツエさんであることを知っているだろう。内容証明の文書からは六億七千万円と借入金額が明記されているが、本当はこの外にもあり、八戸信用金庫からの借入総額は六億八千五百万円の巨額。そのうちの四億四千万円が時効にかかってしまった。
 もっとも八戸信用金庫の言い分では、裁判をすれば勝てると言うのだが、自分たちが適法に措置をしていれば、裁判の席上で争うこともない。それをしていないため 筆者はこの事件を昨年(一九九九年)に知人から処理して欲しいと依頼を受けてからずっと見守り続けている。六月号の大特集の階上町長の疑惑も、地元新聞の東奥日報もデーリー東北も深く突っ込んでは書かなかった。新聞はニユース性を重んじるため紙幅に制限があり、事実関係を知っても深く突っ込んでは書けない。しかしながら月刊誌の良い点は締切り時間が十分にあるため、面白いとなると徹底した時間を割いて調査に調査を重ねる。そこに新聞と月刊誌の違いがある。
 今回の事件も書きたいナと筆がムズムズするのを押さえに押さえていた。しかしながら八戸信用金庫と田中氏が決裂をみないうちに書く訳にはいかず、口惜しい思いで半年我慢。とうとう五月二十日に決裂したため、一気にここで真相を暴露。この問題は監督官庁に持っていけば必ず指導が入り、馬鹿なことをしでかした八戸信用金庫に咎めは必至。万人の金を預かる番人の八戸信用金庫がヘマをやらかしている。それも五年以上も放置し時効を迎えたのを知らなかった大蔵省の責任も大きい。あるいは八戸信用金庫が隠しに隠していたのかも知れぬ。しかし隠しに隠していたとしても、監督官庁の指導・監督が至らなかったのは間違いない。庶民の金を預かるのは法律で決められた所しか出来ない。許可・認可の権限は大蔵省が握っている。バブルが弾けて多くの金融機関がメタメタ。その中でも八戸信用金庫はバブルの影響を受けていない健全経営の信用金庫だと言われてきた。しかしながら、このていたらくだ。我々の金は本当に安全に管理・運営されているのだろうか。疑問・心配・不安になるのは筆者だけではないだろう。お年寄りの年金受給、虎の子のへそくりなどを安心して預けられるの? 市内最大の金融機関だが、前森理事長が辞めてからおかしくなったとの声をよく聞く。前森さんは立派な人だった。筆者も知っている。しかしながら現今の理事たちは一寸ならず変だ。
大体筆者は八戸信用金庫には恨みつらみがある。今まで言わなかっただけのこと。今回の時効事件の時も、東京の星弁護士が借り入れた金額の返済計画案を作成している際に発見したもの。
この星弁護士は早稲田大学法学部を卒業し司法試験に合格した新進気鋭の若者。この人が中学生の時、筆者が家庭教師をしていたことがある。新宿から京王線が出ているが笹塚の駅の近くで豆腐屋を両親が経営。その長女を教えたのがきっかけで、この青年も教えたことがあり、筆者の顧問弁護士でもある。誠実な人柄で筆者とは正反対。温厚な紳士を絵にかいたような人。ところが交渉相手の八戸信用金庫の前・管理部長の佐藤一雄氏が一級品の頑迷固陋。
 交渉の過程で何を血迷ったか、『オイ、星さんョ、あんた本当に弁護士なの』の発言をやらかした。
弁護士を騙ったのなら言われても仕方がないが、当事者では交渉がつきかねる難問に弁護士が登場するは当然のこと。まして、星弁護士は今回とは逆の立場で銀行を守る仕事を数多く担当している新進気鋭なれども金融事件ではベテラン中のベテラン。銀行の動きは知悉している。大体借金が払えなくなった事案はバブル崩営以後、山とあり五万と存在。銀行は貸金はまけないが金利はゼロか限りなくゼロにして不良貸付はなるべく出さず、元金だけは必ず手中に収めるのが鉄則。八戸はバブルの影響を良くも悪しくも受けなかったとは言うものの、現今の不動産価格は上昇するどころか下落しているのは間違いない。
 星弁護士は温厚な性格のため、前・管理部長の佐藤氏の話にも激怒することはなかったが、八戸はなかなか凄い所ですネと苦笑。
時効の件を撤回しなければ交渉の席には付かないと声高に叫ぶ。時効にならないように管理していればよかったのだが、自分がしでかしたことを大声で叫び、それを撤回しろ、裁判すれば必ず勝てるは金融機関の言うべきことではない。さらにこの時効事件が、八戸信用金庫の言うように時効でないとするならば、ただ笑って、『そんな馬鹿なことは言わないで下さい、我々はこのように新たな証書で時効は防いでいますヨ』と提示すればいい。何も力んで大声を上げる、あるいは弁護士を誹謗するような言葉は紳士なら吐かないものですゾ。
 大声で叫ぶ、あるいは怒鳴る、桐喝するは手口として容認の範囲であるが、文書をもって、それを撤回しなければ交渉しないと郵送するに至っては、何を血迷った のだろうと疑問に思う程だ。
 『お岩、迷うたな』は伊右衛門の言葉だ。自分がしでかした残虐非道な行いを恥じる部分があるから、お岩さんが迷って出たように錯覚するのだ。見えないものに対する恐怖が行動に走らせる。
 次のページの文書は八戸信用金庫河原木支店長の蛭子勝美氏が弁護士宛に出したもの。この人も温厚な紳士だ。しかしながら回収不能となった貸金の処理はすべからく本部が握っている。つまり前述した前・管理部長の佐藤氏だ。今の管理部長は工藤信行氏が就任しているが、この件に関しては担当理事から佐藤が担当するようにと言われているとは佐藤氏本人の弁。